まいにち きらきら

もっと今を愛さなきゃだね

幸せな痛みなんて、知らなくてよかった。

ベストアルバム発売の知らせを受けた日から、ずっとずっと楽しみにしてきた。

 

 

やっと20年のお祝いの気持ちをかたちにして届けることができる。

手元に置いておくことができる。

 

 

 

アニバーサリーツアーの後半戦。

次々決まっていく音楽番組。

そしてベストアルバムの発売。

 

 

”活動休止前”の嵐としてじゃなくて、”デビュー20周年”の嵐として、取り上げてほしい。盛り上げてほしい。

 

そう願い続けてきたし、楽しくお祝いをするための時間なんだって私もずっと思って、嵐を応援してきた。

 

だけど、活動休止前だからってフィルターをかけていたのは、ほかでもない私だったかもしれない。

ずっとずっと、自分に言い聞かせてきたのかもしれない。

 

 

わたしは、嵐のこれからが、見えなくなってしまった。

5×20を聴いて素直に感動できる人間じゃなくなってしまった。

 

しあわせなのに。

しあわせだからこそ。

寂しいし、愛おしいし、苦しいし、うれしいし。

痛い。

 

できることなら、こんな種類の幸せを、わたしは知らないままでいたかった。

櫻井くんの言う”宝箱”は、もっと実感を伴わない距離にあるものであってほしかった。

 

わたしは、わたしたちは。

ものすごく大きな宝箱を手に入れてしまった。

何の覚悟もなく。入れるものもわからないまま。

 

 

 

ねえ、あらしのみんな。

言いたいことがたくさんあるんだよ。

 

まとまっていないかもしれないけど。

届かないに決まってるけど。

それでも、言わずにはいられないよ。

ひとりきりでこんな大きな宝物は抱えられないよ。

 

だから、わがままな私の話を少しだけ聞いてほしい。

 

 

 

 

2009年。

わたしは、日本国民全員が櫻井くんに恋に落ちていたあの頃に。

案の定、恋に落ちた。

 

 

気づいたら、私はあらしの半分を追いかけていたんだね。

もう10年も経ったんだね。

 

わたしは櫻井くんが好きで。

ずっとずっと彼を追いかけて、一挙手一投足に一喜一憂したり、メロメロになったり。

そんなことを繰り返していく中で、気づいたことがある。

 

わたしの一番好きな櫻井くんはステージに立ってキラキラしてるアイドルの櫻井翔くんで。

そのなかでも、4人といるときの、周りに何万人ものファンがいるのにその瞳には4人しか映っていないようなときの、櫻井くんの笑顔が一番大好きだ。

 

わちゃわちゃしてる4人をお母さんみたいに微笑んで見守ってるときも。

だれかの言葉に顔をくしゃくしゃにして笑っているときも。

メンバーを鼓舞するためのお兄ちゃんな笑顔も。

 

どう頑張っても私に引き出すことのできないその笑顔が、大好きだった。

”嵐”の櫻井翔であるその瞬間が、櫻井くんは一番素敵だ。

 

わたしには引き出すことのできないその笑顔も、わたしが彼らに風を送り続けていれば、見られるものだと思っていた。

 

風を送り続けているうちに、わたしの大好きな櫻井くんを見せてくれる4人が。

嵐が。

大好きになってしまっていた。

後戻りできないところまで。

 

もうわたしは、4人が櫻井くんを泣かせたとしても、嫌いになれないところまで

ちゃんと、好きになっていたんだよ。

 

櫻井くんの夢を、宝箱にしまわなくちゃならないところまできても。

報道のお仕事ですら嵐に還元するため、嵐だからできている仕事、と常々言ってきた櫻井くんに「ひとりでできることをやり続けるしかない」と言わせてしまうところまで来ても。

 

わたしはどうしようもなく、嵐が好きだった。

 

だから、嵐がたくさんの番組に出て歌って踊って、最高のパフォーマンスをするたびに。

毎日毎日いろんなうれしいお仕事のお知らせをしてくれるたびに。

 

わたしはそれを見られなくなるその日を思って、

素直に喜べなくなってきてしまった。

 

楽しく彼らを追えば追うほど、時の流れは速くなっていく。

リミットは、迫ってくる。

 

もう少し時間がゆっくり流れたらいいのに。

そう思って、もうそんなに頑張らなくていいよと何度も言ってしまいそうになった。

あらしは、5人でいたいだけなのに。わたしたちに伝えたいことがあるだけなのに、ね。

 

 

まだ時間がなくて曲は聞けていないんだけど。

歌詞カードの5×10のあった場所には、Everythingがあって。

マイガールから始まる、新しいブックレットがあって。

 

それだけ時が流れたんだなあ。

 

久しぶりにCDショップに電話して予約したアルバム。

その日のうちに売り切れたよね。

あんなにドキドキしたのはいつぶりだろう。

BeautifulWorldくらいかな。

 

 

CD引き取りの列はみんな嵐で、ショップ内も嵐が流れてて、展示がされてて。

メンバー紹介の白々しい説明を横目で見ながら引き取ったCD。

 

あらしからのものすごい重たさの愛を受け取ったら、だいぶ財布はペラペラになってたけど。それすら愛おしかった。

 

店員さんにレシートを渡すときに「おめでとうございます」って言われて、

おめでとう、だよねってちょっとだけ気持ちが上に向いたけど。

 

観るのが怖くてとりあえず初回Bから開封した。

嵐、めちゃめちゃ踊ってきたし、クオリティ上がっちゃってるのが本当にすごい。

歌は格段に上手になってて、楽曲の幅があまりに広がりすぎてるのがすごい。

自分たちの立ち位置に慢心せず、静かにその爪を磨き続けてきたのが手に取るようにわかって。

 

この期に及んでまだ一般人を沼落ちさせる気なの?

ベスアル落ち、だいぶ発生しちゃうでしょ。

 

 

song for youじゃなくて「未完」で終わらせちゃうのが、やっぱり嵐だよねえ。

 

 

なんて、結構楽しんで見られた。

 

いったんご飯を食べて、シャワーに入って。

ひと気合入れて。

 

やっぱり踏ん切りがつかなくて学校の課題を終わらせて。

いよいよすることがなくなって。

 

5×20のMV、の円盤を観なきゃいけなくなった。

 

 

 

正直、見てしまったことを後悔している。

 

 

 

 

 

 

なんでこのひとたち、活動休止しなきゃならないんだろうか。

 

 

 

 

 

 

そんなこと、最後の最後まで、考えないことにしたかった。

 

海岸で風に吹かれてたたずむ5人が。

水平線を見つめる5人が。

 

このまま消えてしまいそうなくらい儚かった。

 

わたしたちじゃなくて、嵐に向けて嵐が歌う曲。

手にするのは私たちなのに、作った動機も、MVを届けたい先も

全部嵐のためなあらしが、相変わらずすぎて。

 

それをわたしたちが何より求めていることも、お見通しで。

 

なら、ずっとずっと蚊帳の外でよかった。

5人だけの大切な時間に、私たちを入れてくれなくてもよかった。

たまに、その大切な思い出を少しだけおすそ分けしてくれるのが幸せだったのに。

こんなのぞき見みたいなこと、したくなかった。

 

 

ねえ、あらしは全然わかってないね、女心ってやつ。

 

 重たい男は好かれないんだよ。

 

重たすぎるよ。

愛が、重い。

 

優しすぎる男は、遊ばれちゃうんだよ。

ねえ。

 

 

なんでこんなに痛いのに幸せを感じちゃうんだろうね。

 

わたしがあなたたちを振れないこと、分かってるでしょう。

ならそっちから手ひどく振ってよ。

 

わたしはずっとそのタイミングを待ってるんだよ。

もう二度と人を好きにならないと思えるほど、めちゃくちゃに振ってくれればいい。

私を置いていけばいい。

なのに、あらしはそんなわたしをわかって優しく振り返って。

ついていけない私を待ってる。

 

やさしさが、つらいよ。

 

 

何も知らないまま、今月いっぱいでやめるよって教えてくれたら。

わたしはこの曲をもっと純粋に楽しめた。

歌って踊る嵐の姿を素直にかっこいいと思えた。

これから幾度も、

 

いつかこれが見られなくなる、

あと何回見られる?

いつが最後になる?

 

そんなことを頭のどこかでぼんやりと考えながら嵐を見続けなくちゃならない。その日まで。

 

こんなに早く知りたくなかった。

 

 

 

 

だけど、ぎりぎりに聞かされていたなら、

もっともっといろんな後悔が残ることもわかってる。

 

だけど、みっともなく駄々こねたくないんだよ。

ずっとずっとここにいてなんて、言いたくないの。

 

あと2年なんて思ってたあの会見からもう5か月が経つ。

残り2年のリミットは、もう1年半になってる。

 

 

歌ってる櫻井くん、見たことない顔してた。

初めて見る表情だった。

何を考えてたんだろう。

 

 

白いシャツが風に翻って、そのままほどけて海に消えていきそうだった。

 

札幌初日、練習期間も、時間も聞いてたけど。

炎症を起こしてたのか包帯でぐるぐる巻きの手を見て、息が止まりそうになった。

何に追い立てられてるの。お祝いのため?ファンのため?

それだけじゃないでしょう。ねえ。何と戦ってた?

 

後半初日の名古屋のアンコールの時のみんなの顔。

何がいつも通りだったよって言っといてだよ。

ねえ。じゃあなんでそんな顔するの。

 

櫻井くんのはじける笑顔は、いつもさとしのそばにあったね。

あらしのそばにあったね。

これから、いつまであの笑顔が見られなくなるんだろう。

 

untitledのジャケット写真の海岸と、撮影場所は同じなのかな?

こんな伏線の回収のされ方は、あんまりうれしくないね。

 

海と、空。

わたしはそこからいつも大野くんを連想してしまう。

というか、大野くんの求める自由のイメージ、なのかな。

 

こんなに嵐が嵐を思ってるのにいったん区切りがつけられなければいけないことが、本当に本当に嫌だけど。

 

大野くんが絵を描けるようになったことはすごくすごくうれしいし。

何かが吹っ切れたみたいに楽しそうに笑って、すがすがしい表情をしている姿を見たら、よかったのかな、って思ってしまう。

 

たぶんね、大野くんの求める自由って

”甘やかされない環境”だとおもうんだよね。

肩書きで持ち上げられたり、誰かに支援をされないような環境で、うまくいかないことも含めて楽しみたいんじゃないかな。

だって、あらしにいたら大野くんは嫌でも甘やかされちゃうから。

あらしで長いお休みを取っても納得いかなくてお休みを求めたのは、そういうことなんじゃないかなって思う。

 

 

櫻井くんは、もっと深いところまで、きちんと、分かっているんだろうな。

こればっかりは、5にんにしか、わからないことだね。

 

 

海を眺める5人が、同じ方向を向いていることに安心した。

だけど、最後のセリフで。

 

わたしはわからなくなっちゃった。

 

またね、のありがとうなのかな。

ばいばい、のありがとうなのかな。

 

 

このひとたち、ちゃんと戻ってくるのかな。

海の上で産声を上げ、クルーザーでこの島にやってきた彼らは。

今度はそれぞれの船で船出をして。

また、戻ってこられるのかな。

 

 

 

二宮くんが「これからもずっと続けていく人たちの20年とは違う」とはっきりと言って寄り添ってくれたこと。

「顔を見なくても言いたいことがわかるから、顔を見なくてもいい」なんて言えちゃう相葉くん。

「また5人でここに来れたことがうれしい」と笑う潤くん。

「5人にしかわからないことってあるんだろうねえ」と説得力100万パーセントのさとし。

「大がかりな活動をしてきたつもりはなくて、こじんまりやってきたのに」なんてこの期に及んで言ってる櫻井くん。

 

ぜんぶぜんぶ知ってる嵐で。

知らない嵐だったな。

 

 

あと1年半。

またわたしが幸せで。

さみしくて、愛おしくて。

つらくて泣きたい時が何度も来ると思う。

 

 

だけど、やっぱりその痛みすら、忘れないように大切に抱えて生きていきたいよ。

あらしがくれたのは、大きなプレゼントじゃなくて宝物をしまう宝箱、だったように思う。

 

 

古語で”かなし”は”愛し”って書くように。

愛おしいから、悲しいこともある。

 

 

だからね、いつかこんな日も愛おしく思えるよね。

 

 

 

 

あらし、20周年おめでとう。

これからもずっとずっと大好きです。