それでも明日を夢見てしまう
いつか来ると思っていたこの日が、来た。
まさか今日になるとは思っていなかった。
だけど、言い出すとしたらあなたなんだろうなと思っていた人が、
やっぱり言い出したことだった。
青天の霹靂ではあったけど、どこかで予想通りだなともなんとなく思っていた。
わたしのだいすきなひとたちが、
アイドルをお休みする日が知らされた。
約2年後。2020年12月31日。あと705日。
1000日をとっくに切っていた。
嵐にだけは、永遠を信じていたかったな。
到底受け止められそうにもないし、まだまだ頭の中、ずっと嵐のことを考えていたいけど。受験まであと少し。整理をつけたふりをして、どうにか前に、進もうと思う。
http://j-lyric.net/artist/a04ab16/l0411cd.html
わたしは、もしおたくを辞める日が来たら、この歌の歌詞を残して去ろうと思っていた。
でも予想に反して、私の宝物がなくなるほうが先だったね。
わたしの人生で一番大切な宝物がなくなるっていうのに、試験のことなんか考えなくちゃならないなんて。そう思うけど、だいすきなひとに貰ってきたたくさんの宝物で、なんとか頑張らないとダサいなとも思う。
だから2月25日にすべてを終えるまでは、ここに、色んなものを置いて時を止めておきたい。
人生の半分以上好きだったアイドルグループ、嵐が活動を休止します。
好きになって13年とすこし、櫻井くんを好きになってからは、10年。
わたしの記憶は、全て嵐とともにあります。
きっと学校の中で、いや市の中でくらいなら、いちばん、あらしがすきだと認めてもらえるとおもう。(笑)
嵐からいろんなことを学んで、いろんなものを貰って、なんとか生き永らえてきた人生だった。
たしかに、活動休止は青天の霹靂ではあったけれども、予感がしていなかったわけじゃない。
untitledのメイキング。やたらと開催されるメンバー間の食事会、家の行き来。song for you。忍びから入らない個人仕事。アニバのパンフレットのおやま。ヘリに乗ってまで間に合わせたかった20周年メドレー。スピデジのときは寝てばっかだったくせに、やたらと参加したがる部活動。アニバの挨拶。
順不同。
ほかにもどこかで感じていた、小さな違和感はあったのかもしれない。
やったらメンバー間の家の行き来があったから、誰かが結婚でもするんじゃないかと思っていた。そのほうが、ずっと良かったのかもしれない。
都合のいいおたくだから、にのみやくんは、恋人なんかよりずっと、話が着地する前にあらしのことが、たくさん会っていることがバレるのを恐がっていたのかもしれないとすら思える。
2017年の6月くらいに、確か嵐は櫻井くんが言い出しっぺで2020年に活動休止する、みたいな記事が出てた気がする。あながち嘘じゃなかったね。理由もメンバーも違っていたけど。
ずっと他人事だと思ってたすばるの脱退も、岡本圭人くんの留学も、櫻井くんはどんな気持ちでZEROでコメントをしていたんだろう。
迷って、悩んで、また迷って、なんとかみんなをひとつにしようと奔走して頑張っていた櫻井くん。当たり前だけど1秒も、しんどい顔をしなかった櫻井くん。それに気付けなかった自分がいやだな、と思うけど、気づいていたら、櫻井くんは立っていられなかっただろうなとも思う。
4月にすばるが脱退を発表したときには、そんなことなかったくせに、ただ慎重に愛情深く言葉を選んでいただけだったのに、7月のエイトの6人での船出には、少し言葉をつまらせながらコメントしていたなあ、とぼんやり思ったりもした。
すばるとおおのくんは、ちょっぴりだけ似ていると思っていたから、その時、同じことがあるかもと一瞬頭をよぎったけど、彼の歌みたいに確固として譲れない"なにか"が、"嵐"だという自信があったから、心配するだけ損だなあなんて思っていたりもした。
おおのくんは、きっと一番ふつうの人で。
すき、を努力の原動力に才能を磨いてきた人で。でも、自分のその力を驕らない人。ちゃんと糸を持っておかないと、凧みたいに、自由を求めて空を飛んでしまいそうな人。
自由の街、ニューヨークを気に入ったと言った数年前の彼。オレに合ってる、なんて言ってたけど。東京なんかじゃ自由になれっこないんだから、ニューヨークなんかに行ってみたらどうなの。それで英語も喋れるようにならないし、食べ物もそろそろ和食が食べたいし、メンバーの笑顔がみたいな、ってふらっと一年くらいで戻ってきてよ。
さとしが求めるものは叶えてあげたい。
なのに、いつだって彼が求めているものは、メンバーとファンが一番こわいと思っているもので。それに気づいてほしくなかった。わがままだよね。
申し訳ないけど、休みをくれってお願いした相葉くんがなんとか漕ぎつけたのはたった数時間の午前休。そんな世界。たくさんたくさん休みたかったんだよね。分かってるよ。
"よく20年も嵐をやってきてくれたよね"
なんて言ってた櫻井くんは、わたしですらふわふわ飛んでいきそうな大野くんを見て、どう思っていたんだろう。
Jr.の頃から、絵を描いてる姿を隣で観ることを唯一許されてきたひと。
才能にベタぼれな彼と、その素直なリアクションがくすぐったい彼。
彼らは不本意ながら、嵐になって。
年上としてメンバーを引っ張り。
リーダーとして、縁の下の力持ちとして、嵐を支えてきた。
自分にはない頭の良さを尊敬していて、ずっと努力を見ていてくれて、時には心配してくれる大野くんに、きっと、学生時代の櫻井くんは救われていた。
就活の時期に、嵐を続ける葛藤でしんどかった櫻井くんを、きっと支えてくれていたひと。さとしく〜んって甘えたな呼び方をするようになったのはこのあたりからだったかな。
ひとを支えてる場合なの?っていうくらい葛藤をずっと抱えてたさとし。インドに行きたいなんて意味のわからないことを言ってた時期があったけど、とにかく何かから逃げたかったんだろうな。なら一緒にインド行く!インド兄弟!みたいなふざけたこと言ってたけど、結構本気で、話を聞いて引き留めたんじゃないかなあ。それからZEROが決まって、あらしが勢いづいていって、大野くんは辞めたいなんて言えないほどの波に飲み込まれていって。
櫻井くんが骨折したとき、ずっとそばにいたのは大野くんだった。辛いケーキ食べても鎮痛剤で辛さが分からない櫻井くんが咄嗟に困った顔で見つめた先は、大野くんだったな。
大野くんが個展の会見に呼んだのは、個展を直談判した櫻井くんだった。理由は"不安だったから。"嬉々として作者より饒舌に喋る櫻井くんのマシンガントーク、何度見てもクスッとする。ねえすごいでしょ、うちのリーダーって。一方でこの才能はこれだけで収まるのか、この分野を探求したくなってしまうんじゃないのかって不安も、あったのかな。
ずっとずっと、ふたりは支え合って来た。
実は大野くんの家にも実家にも行ったことあるのに無いフリをして、ふたりだけの雑誌連載の時にポロっと漏らしちゃうようなことが何度かあったのも、知ってるよ。真面目な話も、たのしい話も、舞台の楽屋で、移動車で、京都で、いろんなところで。お互いを笑わせたくて、元気にしたくて、話をしていたのを知っているよ。
櫻井くんは、大野くんが話があると言った時、「意志は固まっているんだな」と思ったし、「自分はとにかく4人の思いを納得の行く場所に着地させることが役割だ」と思ったと言っていた。
苦しくなかったのかな、ってすごく思う。
わたしは櫻井くんの気持ちになるとぎゅっと胸が痛む。
だって、ずっと尊敬してきたひとの覚悟がわかって、それが自分のたからものの形を変えることが、わかっていて。
それでも、みんなが納得行くように働くのが自分だなんて役回り、すぐにできると思いますか。自分の感情をおいて、宝物をみんなにとっても宝物のまま守るために、すぐに黒子になることを選べますか。
櫻井くんの気持ちはどこなの、って
私は櫻井くんのファンだから、悲しくなってしまう。
櫻井くんの気持ちは、"嵐を守りたい"のひとことに尽きるのかもしれないけど、それでも。
きっと、いちばん悲しくてやりきれないのは櫻井くんだと思う。
だって、櫻井くんにとっては世界でたった一人の"兄さん"なんだから。
どれだけかわいがってくれる先輩がいても、埋められない場所。
後輩に兄貴と慕われ、家族構成も3人兄弟のお兄ちゃん。しっかりもので、頭が良くて、完璧で、仕事において文句なし。そんなパブリックイメージと実際のお兄ちゃん気質な性格が雁字搦めの櫻井くんに、唯一強く出られるひと。櫻井くんが、唯一もたれかかることが出来るひと。
みんなには、櫻井くんが居るけど、櫻井くんには、大野くんしかいない。
だからこそ、誰よりも真摯に向き合って話をして、こういう役を選んだのかもしれない。
大野くんも、嵐が好きじゃなくなったわけじゃない。ただ、ずっと求めていた自由への渇望が、止められなくなってしまった。
大野くんの話を、茶化さず、真剣に、何でも聞いてきた櫻井くんだから、大野くんの覚悟は、計り知れないほど伝わってきたと思う。
嵐としては、ずっといてほしいけど、
兄さんの後ろをついて回る櫻井翔としては、
ずっと見てみたかった大野くんから見える世界。自分よりずっとずっと鮮やかで違った見え方がすると疑わなかった世界が、実は、そうでもないことに気づいたかもしれない。渇望している自由を手に入れたら、自分の世界はもっと色づくんじゃないかという大野くんに、その世界も見てみたいなと思ったかもしれない。
きっと葛藤したはずだ。
その才能を、活かさなくて良いのか。
その才能を見届けるために、あらしを、20年を、壊していいのか。
だから、5人にとっての着地点であると同時に、実はそれが櫻井くんにとっての着地点だったのかもしれない。だけどね。
大野くんから一大決心を打ち明けられた直後に、きっと櫻井くんにとって大きな力になっていただろう小林麻央さんが亡くなって。
その1年後に、大先輩の村尾さんがZEROを卒業されることが発表されて。
きっと、さみしかったと思う。
やたらといろんな後輩と飲みに行ってたのは、ジャニーズのタレントとして、自分が残せるものを残していきたいと思っただけかもしれないけど。
亡くなったお祖父さんの夢を見て会えて良かったなあと泣いていた話。
マジックバーに一人で行くのにはまってる話。
酒を飲みながら皿を洗うのがストレス解消な話。
痩せた顔。荒れた肌。
全部が全部忙しさのせいでは、なかったはずだよ。
櫻井くんから、どこまで奪っていくんだろう。そんなふうに思っちゃだめってわかってる。
不確実な夢や目標を好まない櫻井くんが唯一掲げる
"この夢が一日でも長く醒めないように"
それが、自分の夢の中の登場人物に、かたちを変えられてしまう、切なさ。
櫻井くんは絶対にそんな風に思ってない。分かってる。だけど、そう思わずにはいられないよ。
どんな気持ちで、ペダルを踏んで、鍵盤に音を乗せて、ピアノを弾いていたんだろう。
新しい色で、明日を描こう。そんな歌詞に、願いを掛けていたのかな。
1日3時間も半年以上練習してくれたピアノ、もしかしたらそうしないと考え込んでしまったのかもしれないね。メンバーが櫻井くんの演奏を聞いているときの顔が、ひどく印象的だった。
あらしのことは他の誰にだって分かるはずがないんだから、他人の悪意にからめとられる前に、宝物のまま、宝箱に閉まっておきたい。
無邪気で切ない願いだなと思う。
また取り出して眺めて、その夢を見たいと思える日が、来るのかな。
ステージ上終身雇用を、信じてもいいのだろうか。未だ2020年以降のことは何一つ決まっていない彼に。頼れる兄さんが遠くに行ってしまう彼に。求めてもいいのだろうか。
つらいけど、まだなにもまとまらないけど、
ちゃんと自分たちから発信して、未来を教えてくれたこと。
わたしたちのことを考えて、いますぐ手にしたい自由を、2年も待ってくれること。
ほころびを作らず、笑っていてくれるところ。心から楽しそうに、コンサートで駆け回ってくれていたところ。何よりあらしがすきなくせに、最後まで、5人で惜しむだけじゃなく、ファンも仲間に入れてくれるところ。
全部全部、嵐らしいなと思いました。
こんなときまで、って思わないこともないけど、きっと2年後に、これでよかったなって思える。
記者の心無い質問に、ひどく腹を立ててた櫻井くんがあんまりにも必死で、ちょっと笑えたし、ちょっと泣けた。たからもの、そんな言葉に壊されてたまるかって。
いつもはそんなに話さないくせに、やっぱり共闘する磁石。だいじなときはいつもふたりいっしょだね。櫻井くんのフォローっていうか、櫻井くんよりうまい立ち回りをしてくれてありがとう。あまりにもなめらかで鮮やかな受け答えで、ここもホームにしちゃうんだなあ。
いつも寄り添って、一緒に泣いてきたあいばくん。笑おうとしてくれてありがとう。でもやっぱりちょっと泣きたくなって顔を歪めて、そうやって素直でいてくれてありがとう。右ふたりは素直じゃないから、あいばくんがそういうリアクションをしていてくれたことが、結構救いになってた。いっしょにくだる景色も、見たかったね。見れるかな。
潤くんが、いちばん引き止める人だと思っていたから、意外だったな。本当はさとしのことが大好きだから、寂しくて仕方がないだろうけど、意外と切り替えが早いから出来ることを見つけてアクティブにやってくんだろうな。
そしてさとし。
いつも櫻井くんを甘やかしてくれてありがとう。弟なんていたことないくせに、ちゃんとお兄ちゃんだったよ。意外と寂しがりだから、はやいとこ帰ってきてよ。いくらタフな男でも、拠り所がないとしんどいもんよ。
やりたいことを、やりたいだけやったら、やり尽くしたら、いつになってもいいから、帰ってきてよ。ずっと待ってるよ。
さとしが嵐を辞めて歌やダンスを突き詰めたらいいって言っていた人たち、それ見たことか。さとしは嵐だから歌って踊っていられる。彼にはもっと広い世界が見えてるんだから、野に放ったら目に届かないところまで飛んでいっちゃうに決まってるじゃん。身勝手なことばっかり言って。本人の心も、大切にしてる人の言葉もねじ曲げて、たのしかったですか。
あらしが走り続けることをやめたら、私はどうなるのか。ちゃんと、生きていけるのか。わからないけど、もっとこの2年間で強くなるよ。受け止めるどころか、跳ね返して、戻ってきたいと思わせてみせるよ。
あと2年、後悔しないだけ見に行って、会いに行って、お金払って、泣いて、笑って、集まって。やりたいことをやり尽くすよ。
櫻井くんが一番好きだけど、わたしが一番好きな櫻井くんは、嵐でいる櫻井くんだから。
私が一番好きな櫻井くんの顔は、嵐といるときの櫻井くんだから。
さくらいくんの宝物は、わたしにとっても宝物です。
あらしが、大野くんが、相葉くんが、二宮くんが、潤くんが。
そして何より、櫻井くんが。
本当に大好きです。
これから二年、この決断を後悔するくらい、しあわせにしたい。笑わせたい。ちょっと泣かせたい。(笑)
文章を一度も推敲しないままここまで駆け抜けてきたので、めちゃくちゃかもしれない。でもそれが今の私の気持ちです。あくまで、今はこれ以上考える時間がないだけ。
最後の最後のその日まで、なんならその日からしばらく経つまで、本当の思いは固まらないだろうけど、きっとずっと、あらしが好きだよ。
だいすきなひとの宝物は、あと少しで宝箱にしまわれる。覚めない夢なんて、ない。1日1日と紡いできたその夢は、あと2年もしたら覚める。だけど、宝物は、ずっとその形のまま、その輝きのまま、そこにある。みんなで大切に大切にしてきたから。
だいすきなひとは、芸能人で有り続けるかどうかもわからないけど。そうであるなら、応援したいと思っているし。もしそうでないなら、それはそれでいいと思う。
だって、ZEROを終えた次の日の朝、いつも顔を合わせた4つの顔に出会えない気持ちを考えたら、痛いから。慣れたってきっと、痛いものは痛いから。でも、兄さんがいないと、痛くないふりをしちゃうから。
だから、拍子抜けするくらいすぐ帰ってきてもいいからね。未練たらたらでごめん。
5人に待つ未来が、どうか穏やかで、幸せでありますように。
そしてこれからの2年が、誰にも邪魔されないお別れと再会の準備の時間になりますように。
あの頑固なおおのくんを、私なら絶対にねじ伏せられないって思うし、彼の覚悟ある決断を受け止めて、考えて、話し合って、納得させて活動休止まで持ってきた嵐、本当にすごい!えらい!だから、きっと、再始動できるよ。
"いつか笑ってまた再会そう絶対"
そんな言葉で、アニバーサリーツアーが締めくくられることを祈って。
5人を譲らないでいてくれて、どうしても5人じゃなきゃ嵐はやりたくないって思ってくれて、ありがとう。